―ご来場いただいた方へ
長野友美さんとの佐世保・福岡ツアー『穀雨のコンサート』にお越しいただいた皆さまありがとうございました。数日経ってもまだ、出会った方一人ひとりの顔や、かけてくださった言葉など思い返しては、温かい気持ちにずっと浸っていたくて、それ以外のことは、今はあまり重要ではないという状態が続いています。この感動は、不安で窒息しそうになりながら手探りの音楽活動を続けてきた3年間の自分への大きなご褒美であり、さらなる試練に向けての基盤になっていくと確信しています。
―長野友美さんとの関わり
長崎県佐世保市出身の長野さんが毎年続けてらっしゃる“ゲストミュージシャンを連れての九州帰省ライブ“。コロナの3年ブランクを経て、今回、なんと私に声をかけてくださいました。昨年1stアルバムを出したものの、どう活動を広げたらいいものか悩み呆けている時でした。私「良いライブができるようになるまではひっそりちょろちょろがんばります」長野さん「そんなこと言ってたらすぐ時が経っちゃうよ!」引っ込み思案な私を引っ張り出し、九州に連れ立ってくれました。
6,7年前にもなりましょうか。私がまだ小さな“ギタレレ”を抱えて演奏していた頃、長野友美さんとライブで出会いました。リハーサルから驚いた、その思慮深く密度の高い詩の世界、恍惚な気持ちにさせる楽曲の構成、独特なのに身近な感じのするメロディー作り、酔いしれるような、なのに晴れやかなアルトの歌声、すべての完璧さに、きーんと氷漬けになったのを覚えています。2020年、私が作曲活動再開後初めて自力で録音したCDR作品『蠢き』に、そんな憧れの長野さんが反応してくださり、「こんながむしゃらな、武骨な曲たちが果たして皆に聴いてもらえるしろものなのか」不明だった私は、どれだけ勇気づけられたことか。今回その気持ちもライブ中に伝えることができました。
―福岡LOVE FM『月下虫音』を聴いてくださった方へ
月下虫音を聴いてくださった方、ありがとうござました。今回のツアーで実は一番のプレッシャーだった初ラジオでしたが、大田こぞうさんに質問されると、なぜか不思議とすいすい話すことができて魔法にかかったようでした。「ねずみのチッチくんの話が好きで、録音して聴いてます」とお伝えすると、写真を見せてくれて嬉しくなり頬がほてりました。月下虫音に出ることを提案してくれた長野さんにも大感謝です。ラジオを聴いてライブに来てくださった方も、ありがとうございました。
―4/20 佐世保市 Banana
今回のツアー初日である佐世保市Bananaでは、長野さんと私でそれぞれたっぷり演奏させてもらいました。長野さんを昔から知っている方が沢山来られていて、長野さんが人との関わりを大事に活動されてきたことが分かりました。九州なまりで天真爛漫に話される長野さんは女学生のようでした。心地よく接してくれたBananaのお二人と、取り次ぎや機材準備&PAをしてくれた伊達さんにも感謝です。
―4/21 福岡市 HOME
福岡に移動しての2日目は、長野さんも何度か出演されているBar HOMEにて、長野さんと私と、シークレットゲストの相川理沙さん、ハーモニカ奏者の倉井夏樹さんと演奏しました。この日はお客さんと距離がとても近いように感じてしまい、自分の出番の時はとてもあがってしまいましたが、「自分は、緊張もするし声が震えるのが特徴です」と初めて心のなかで開き直ることもできました。実際、震えてるのもいい味出てるみたいなので、これからはうまく付き合っていきたいです。マスターのもりさん、バーテンのはじめさん、来てくれた方、温かく見守ってくださりありがとうございました。
―4/22 福岡市 遊来友楽(ゆらゆら)
3日目は、共演してくださった木下弦二さんもよく出られている遊来友楽にて。なんと、この日が移店前最後のライブという記念すべき日でした。店内のいたるところ、棚やトイレの蛇口や色々手作りされていてかわいらしく、落ち着く空間でした。移店後は広いお店になるということでかなり楽しみです。この日は木下弦二さんがリハーサルから音作りをずっと一緒にしてくださり、終わってからもとても親身になってアドバイスしてくださいました。マスターのジャスティン小川さんと弦二さんのコラボが聴けたのも嬉しかったです。泊めてくださったあやさんもお世話になりました。
―4/23 小倉メガヘルツ
最終日は、長野さんも初めてというメガヘルツにて。共演の藤井邦博さんが取り次いでくださいました。今回DJで参加くださった松岡怜央さんのナイスな選曲、どのレコードも欲しくなりました。若い方が沢山来てくれていて、島原でお店をやっている二人や、人生で初めてライブに来た、とても感動したと言ってCDも買ってくれたあの子、皆がそれぞれにメガヘルツの空間を楽しんでいて、忘れられない日になりました。偶然行われていた無具人(munguni)さんの展示が私になぜか安心感と強さを与えてくれました。面白い絵と言葉にくすぐられました。
―長野友美さんの2nd『春への落下』
4日間、長野さんと一緒に演奏した「宿り木」「つばめ」は私がずっとお守りのように大事に聴いている長野さんの2ndアルバム『春への落下』に収録されています。聴く人をいつの間にか不思議な世界に連れて行ってくれる、だけどそれはごく身近な植物や生き物のことを歌っています。私はそれに毎回とても感動します。これからも私に影響を与え続けるであろう作品。ぜひ皆さんも買って聴いてみてください。


